ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの素晴らしいビジュアル image

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの素晴らしいビジュアル Cinema 4Dによる制作: 古い宇宙船の銀河間のインタフェースデザイン、宇宙犯罪者の乗組員とバーチャルウォークマン...

評価の高いグラフィックノベルを原作の映画化はとても難しいものです。うまくいった原作改変でも違和感を感じることがあります。マーベルの「ガーディアン・オブ・ギャラクシー」のような大作のようなプロジェクトでは、映画さながらに異なる文化の多数のVFX会社の強力を必要としました。幸いなことに、その結果は夏の興行成績に現れました。

バイタルパートの再生は、Territory Studioによるものでした。Marvel Studios filmから、ホログラム、スクリーン、インターフェイスを制作を依頼されました。Territoryは、2010年にクリエイティブディレクターのDavid Sheldon-Hicks氏が、Lee Fasciani氏とNick Glover氏と共に設立した会社。同社はリドリー・スコット監督のプロメテウスなど多数のスクリーンやグラフィックインターフェイスを手掛けていたため、今回のガーディアンズのプロジェクトへの参加も当然の結果でした。

この仕事では、各セットに合わせてそれぞれの環境や文に沿った独自の見た目と雰囲気を用意する必要があり、数百のデザインとアニメーションを制作しなければなりませんでした。宇宙船、ストリートシーン、洞窟のギャンブル場、通信ハブ、刑務所の画面など。しかも、それぞれは人間やエイリアンなど特定の文化を反映させなければなりませんでした。服のセンスや機能の割り振り、歴史やバックストーリーも考慮する必要がありました。

Territoryでは、キャラクターアニメーション、モーショングラフィックス、パーティクルエフェクト、セルレンダリングなど多数のCinema 4Dのツールを使用。Cinema 4DのMoGraphとAdobe After Effectsとのワークフローは、複雑なモニターグラフィックスの制作をシンプルにしてくれる重要な鍵でした。「複雑なものから、一つのモニターグラフィックスのバリエーションの制作をすばやく、フレキシブルに作る必要がありましたが、Cinema 4Dならそれが可能でした。また、After Effectsとの強力な連携も欠かせませんでした」(David氏談)

David氏たちは、このタスクにどのようにアプローチしたのでしょうか。「私たちは、James Gunn監督と話し合いました。彼は脚本に精通しビジョンも明確でした。私たちのこともサポートしてくれ、自由さも与えてくれました。また、プロダクションデザイナーのCharles Wood氏とアートディレクターのAlan Payne氏とそのアートチームとも密に作業を行いました。アートチームとは隔週ごとミーティングを行い、私たちが知らされていることより先のコンセプトやシーンや環境のビジュアルを見せてもらいました。これは本当に助かりました。惑星や牢屋、宇宙船、路上、洞窟のギャンブル場など多数の場所をどんな様子で、雰囲気なのかつかむことができ、とても助かりました。」

最初のチャレンジは、アート部門から500万ポリゴンもあるハイポリのアセットを受け取ったことでした。特にノヴァプリズンと宇宙船ミラノのシーンをアニメーション用に軽くしなければなりません。ここでは500,000ポリゴン以下に抑える必要がありました。一部モデリングし直していますが、ローポリ化にはCinema 4Dのポリゴン削減ツールを使いました。また、After EffectsとCinema 4Dの連携ワークフローは、作業工程に沿っていてとても助かりました。

各エリアや文化に合わせて多くのタイプフェースも作成しました。Davidは、デザインプロセスについて次のように語っています。「私たちは、オリジナルのマーベルコミックスのアートワークやアートやコスチューム部門のスタイルガイドやコンセプトアートを参考にしました。アイコンやフォント制作のスペシャリストでもあるLee Fasciani(Territoryの共同設立者)は、キャラクターや各環境に沿った個性に合わせたタイポグラフィとアイコンスタイルの作成、情報を伝えるビジュアル言語を描き出しました。アート部門との密接な連携により、各デザインは問題なく承認されました」

映画でアクションが行われていたのは、主人公達が使っている宇宙船ミラノでした。ミラノの裏話として、いくつかのアクションは少し古さを感じさせつつ、巧みに手を加えることで美しく仕上げました。Davidはいかにデザインがマッチしていたかを説明。「私たちのUIは、工学的に洗練され、メインキャラクターを反映させる必要がありました。ピーター・クイルが実行出来るハッキングシステムにさらなるパフォーマンスを求めました。完璧なモノより印象深いものにしました。私たちの宇宙船のナビゲーション、武器、環境のスクリーングラフィックスは、少しラフでそれらを反映した物になりました。クイルが1980年代のテープデッキをシミュレートした音楽インターフェイスのような遊びを加えることができました」

映画の中で、80年代のミックスカセットテープは、クイルが持っているキーアイテムで、ソニーのウォークマンと一緒に常に持ち歩いています。映画全体で80年代との繋がりが関わっており、サウンドトラックのテーマになっており、Territoryのグラフィックのスタイルやデザインも反映されています。宇宙船ミラノでは、本物デッキをベースにカセットテープを出し入れして音楽を再生しているようなビジュアルのインターフェイスを作りたいと彼のチームは考えました」

「ユーザーインターフェースに関して、1980年代の黒い背景に赤とオレンジのクラシックなUIを参考にしました。80年代のスポーツカーのペイントスタイルや飛行機の窓が経年劣化によって、どのような曇り具合や傷がスクリーンに現れるかを見ました。デザイナーたちはこうしたリサーチを行い、映画の本質を感じるようにしました」

Territoryは、俳優や監督の前でセットの再生やグラフィックを理解しているエキスパートでもあるCompuhireとも直接仕事を行いました。1日で様々なスクリーンに移す必要がありましたが、Cinema 4DとAfter Effectsの強い連携により実現しました。ヌルとカメラデータを両アプリケーション間で共有し、オブジェクトバッファをレンダリングするワークフローを日常的に行いました。Davidは、宇宙船ダークアスターのシーケンスの再生を、XPressoを使いアニメーションの工程を一つのスライダーで行えるようにしました。

多数のVFXチームがこのプロジェクトに関わっていたため、Cinema 4Dでの作業は誰でも使えることがもっとも重要でした。Davidは、VFXスーパーバイザーのStephane Ceretti 氏の重要性を語りました。「彼は私たちの制作手順となにができるかを本当に理解していました。すべてのVFXベンダーを監督していたため、スクリーンに映すべきものを知っていたため、私たちのコンセプトを統一することができました」

最後に、Territoryは、このプロジェクトで2人から7人のスタッフが10ヶ月以上関わり、Mac OS X 3.5GHz6コアのマシンを18台使って様々なものをレンダリングしました。


ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの他のグラフィックはこちらでご覧いただけます:
www.territorystudio.com


Author

Duncan Evansフリーライター – イギリス