Lagoonia – 南太平洋が舞台のブラウザゲーム image

Lagoonia – 南太平洋が舞台のブラウザゲーム 大衆を魅了するカジュアルゲームのグラフィックスを、Cinema 4Dで制作

南太平洋で起こった飛行機事故により、のどかな島に乗組員が取り残されたという話は、別に目新しいものではなく、時代のニュアンスを加味して何度も映画化されてきました。これは、今に至るまでその種の話がいかにポピュラーであるかを示すものです。しかし、結局はいずれもロビンソン・クルーソーの昔話の焼き直しに過ぎません。

この種の話は、映画やテレビ番組だけでなく、コンピュータゲームの世界でも取り上げられ、今やブラウザゲームとして好評を博しています。このゲームはLagooniaという名で、そのアイデアはブラウザゲームの開発を専門とする会社、Innogamesによるものです。また、同社のゲームデザインを基にこのゲームのグラフィックスを制作したのは、グラフィックススタジオのAugenpulverです。同社は、2Dおよび3Dのグラフィックスアーティストのチームと共に、InnogamesによるLagooniaのビジョンの実現に着手しました。

このゲームの基本コンセプトは、プレーヤーは未知の島を探検し、農業を営んだり実用上のさまざまな道具を作ったりしつつ、徐々に成長する家族と共に生き抜くというものです。Augenpulverのチームは、まずグラフィックエレメントを基に、適切な風景を構築する必要がありました。たとえば、海岸のエレメントとして、さまざまな色を用いることで、多様な深さ、場、構造を備えた海を表現しました。ほか、植生、岩石、崖、なども作成対象になりました。ただし、見た目のリアルさを追求するのではなく、カラフルで漫画調のグラフィックスとすることを目指しました。これは、まずCinema 4Dでレンダリングした後、Photoshopでレタッチすることで作成しました。

風景を作成し終えた後、キャラクターの作成にかかりました。これも風景と同様に、漫画調とする必要がありました。しかし、風景は静的であるのに対し、キャラクターはそれぞれをアニメートしなければなりません。また、このゲームは等角で表示されるので、各キャラクターのアニメーションは8つの異なる視点から描く必要がありました。キャラクターは4種類設けられ、それぞれに服装とアクセサリーが19種類割り当てられました。また、アニメーションはキャラクターごとに30種類(それぞれ35フレームで構成)用意されました。さらに、各アニメーションおよびすべてのアセットは、8種類のパースペクティブで描く必要がありました。つまり、平たく言えば、何と638,400フレームが必要だったのです。加えて、ポストプロダクションでは、人間のキャラクターだけが対象とはいえ、肌と服のカラーバリエーションが追加されました。あげく、アニメーションの総フレーム数は、数百万という桁外れのレベルに増えました。やるべきこと、および待ち受けていた作業の量は、Augenpulverのチームにとってため息が出るほどの規模でした。しかし、幸いチームには、頼みの綱としてCinema 4DのNET Renderがありました。同じコンピュータ上でNET Renderを実行させて、このプロジェクトに取り組み続けたのです。

Lagooniaのプロジェクトで使用したツールは、Photoshop、After Effects、およびCinema 4Dです。いずれも、過去の数多くのプロジェクトでチームが使いこなしてきたものです。中でもCinema 4Dは、信頼性で定評があり、長年にわたってほとんどのプロジェクトで用いてきました。Lagooniaのプロジェクトでは、多くのレンダリング作業がNET Renderで行われました。その信頼性ゆえに、Augenpulverのチームは極めて正確に作業を計画できたのです。Cinema 4Dのマルチパス機能を用いて別々のパスで画像をレンダリングした後、PhotoshopとAfter Effectsでこれを合成しました。これにより、微調整や色調整を楽に済ませることができました。


アートディレクターの要求が異常に高かったため、設計段階に戻らねばならなかったこともたびたびありました。にもかかわらず、優れた計画と頼れるツールにより、チームはこの巨大なグラフィックスプロジェクトを期日までに完了させ、かつ依頼主を満足させることができたのです。

Webサイト:
www.augenpulver.eu