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リアルな世界を構築する方法 UKTVのWチャンネルの新しいIDの制作向けに、デザイン・アニメーションスタジオのInk & Giantsはフォトリアルなロケーションを4つ作ることになった。

Wは、UKTV ネットワークの主力チャンネルで、2008年にWatchとして開始して以来運営されている。このチャンネルは数年ごとにロゴの変更を繰り返し、現在ではWatchという名前はなくなり、Wの一文字になった。チャンネルのロゴ、ID,プレゼンテーションは、ロンドンのデザインスペシャリストのArt&Graftが考案から制作まで担当。ただ、ブランドの変更後UKTVは、Ink & Giantsにチャンネル向けに追加のIDの制作を依頼した。

「この特別なアイディは、それぞれが異なる場所で発生するさまざまなシナリオの混在を通して、視聴者を連続した旅に連れて行くことを目指しています。まるで地球を駆け巡っているようなものです。ダイヤモンドの形をしたポータルを通じて、どんな場所にでも運んでくれることを想像してください。私たちにとってクリエイティブの最も重要な部分は、それぞれのシナリオで経験と感情を表現する必要がありました。それは静けさ、危険、郷愁、そして謎を明確にすることでした」(Ink & Giants マネージメントディレクターPeter Dobes氏談)

カメラがあるシナリオから次のシナリオにシームレスに移行するカットでは、チームは最初にカメラプロジェクションマッピングを使用して既存の写真に動かすことを検討しました。アイデアは、Cinema 4Dの代替ジオメトリにマッピングされた異なる場所の高解像度画像を使用することでした。合成にいくつかの視覚効果と微調整を追加することでカットの入れ替えができるはずでした。しかし、それほどうまくいきませんでした。

「私たちの望んでいたルックとクオリティを得ることができませんでした。道路のような3Dオブジェクトに投影されたピクセルは、全身するにつれて伸びてしまいます。このプロジェクションマッピング手法は、横方向にわずかな動きには適していました」(Dobes氏談)

当初のプランが保留になったため、チームは実際のシーンビルをすべてCGすることにした。 「これにより既存の実写のIDのカットとうまく機能するようになりました。さらに、各シナリオのすべての要素を完全にコントロールできます。私たちのような小さなスタジオでは、このレベルのディテールで写真に近いルックを作成することは、このプロジェクトの最大の課題でした」

新たな目標が確立されたため、彼らは4つの実際の場所を作り出すことに着手した。ザラザラした夜間の路地シーン。日当たりの良い海辺の桟橋。そして雪に覆われた森、神秘的な放棄された車。4人のチームで20秒のシーケンスを完了するのにわずか1か月半しかなかった。やるべきことはたくさんあり、Dobes氏は自分の選んだアプリを高く評価した。「Cinema 4Dは、シーンを非常にすばやく構築できます。私たちは環境のモデリングとアニメーションに多くのデフォーマとMoGraphクローンを使い、レンダリングにはOctane Renderを選択しました。この2つのツールの組み合わせは、非常に強力なものでした」

湖の景色は比較的シンプルで、遠くに配置された山の傾斜に写真とアルファでテクスチャを貼った板ポリゴンの木を3D空間に配置した。「私たちは植物、茂み、そして木のライブラリを持っていました - 古き良きCinema 4Dコンテンツライブラリーからかなり使いました。しかし、板ポリの手法はまだ遠くにあるオブジェクトには非常に有効です。レンダリングは少し重かったため、シーンを最適化する必要がありました」湖自体は平面に差し替えたため、正しく見えるようにするには少し研究が必要だった。そのため、正しい反射設定を見つけなければならなかった。

湖から夜に街に移動します。これは4のうちで最もトリッキーなシーンです。 「暗い路地には細かいディテールがあるので、注意が必要です。しかし、そのシーンのライティングも問題がありました。小さいながらも非常に明るい光源を使用すると、多くのノイズが発生しました。Octaneは、ソフトシャドウをもつソフトライトは得意ですが、リアルなスポットライト効果を得るのは少し難しかったです」

時間を節約するために、チームはストックモデルと独自のオブジェクトを組み合わせた。「一般的な制作スケジュールでは、すべてをゼロからモデリングすることは通常不可能です」とDobes氏は語った。実際にモデリングするだけでなく、チームは石畳の通りのようなディテールを作成するためにディスプレイスメントマッピングを使用した。ディスプレイスメントはOctaneの強みの1つであり、レンダリングのオーバーヘッドをほとんど発生させずにすぐに実行してくれる。

旅は午後遅くの静かな海辺の桟橋へと移動する。「桟橋のシーンは私たちのコンセプトを照明するカットでした。非常によく似た写真をいくつかのシンプルジオメトリにマッピングしようとしました。カメラを使用して2ステップ進んだ後では、うまくいきませんでした。だから我々はそれを作り直すことにしたのです」
Dobes氏は、テクスチャ設定とディテールのモデリングのために多くのリファレンス画像をどのように見たかを説明してくれた。「デッキは非常に反復的な構造でしたので、MoGraphのクローナーで簡単に作成できましたが、リアルにするため、あらゆる種類の不完全性とズレを加える必要がありました。リアルのもう一つの鍵は、屋外の建造物のダメージで特に海からのものです。我々は多くの高解像度の汚れのテクスチャを使い、それらをミックスするためにOctane Dirt Shaderに重ねました」

フォトリアルなルックを実現したいのであれば、不完全さを加えることを恐れてはいけないと彼は提案する。「現実世界は完璧ではありません。だから物事を不均一にして、テクスチャやシーンに汚れを追加しましょう!」

桟橋セットは、エリアライトとHDRIの組み合わせで証明された。プロジェクトの他のシーンと同様に、空は高解像度のストックフォトだ。

最後のロケーションは、雪に覆われた森の中の誰もいない車の北欧ノワールシーンだ。やはり植生は、事前に構築された木モデルと、低木の茂みや植物のための板ポリの組み合わせ。雪は、Red Giant Particularを使ってAdobe After Effectsに追加された。コンポジットは、フォグのレイヤーと多数のグレーディングの調整レイヤーで画像にディテールを加えたためとより複雑になったとDobes氏は語った。

4つのロケーションを結び付ける最後の要素は、ダイヤモンドの「W」ロゴです。Cinema 4D上では、これは合成段階でマスクとして使う単なるプレーンオブジェクトでした。

最終的なシーケンスのクオリティとリアルさは、チームの努力とツールの力を証明するものだった。「Cinema 4Dは、サポートし合うコミュニティがあり、知識とリソースを共有しています。しかし、際立った特別なツールは1つもありません。Cinema 4Dは一般的に仕事をするのに最適でした」」(Dobes氏談)


すべての画像は、Ink & Giantsより提供

Ink and Giants website:
http://inkandgiants.com/


Author

Steve JarrattCGマニア/技術ジャーナリスト – イギリス