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MFactor、Cinema 4Dを使用しFSNのメジャーリーグベースボール番組パッケージで大成功 ほころびかけた野球とファンを、「ステッチ」がMLBゲームの洗練された新しいスタイルへと紡ぎます。

何年もの間、FOXスポーツネット(FSN)のメジャーリーグベースボール番組パッケージは、どのチームが出場していても、見た目が似通っていました。しばらくはその路線をとっていましたが、FOXはこの春、各チームにそれぞれカスタムで制作したプロモーション映像を流すといった、新しい制作方針を追求することを明らかにしました。これを受けて、カリフォルニア州ベニスを拠点とするMFACTORは複数の案を売り込み、契約を獲得。共同創設者Ming Tai氏、Marc Kazlauskas氏、Mel Kimman氏が率いるこのモーショングラフィック・デザインハウスは、FSNがカバーする11チームのために、わずか2ヶ月ほどで放送、屋外、印刷物によるキャンペーンを開始することになりました。

MFACTORは、制作要素のすべてに地域的な雰囲気を加える重要性を認識しており、ファンをデザインの統一的テーマにすることを発案しました。絵コンテ作りに始まり、プロジェクトの3Dエレメントすべてとアニメーション制作において、プロジェクトに携わったアーティストはMaxonのCinema 4Dに頼っていたと、2004年からのCinema 4DユーザーであるTai氏は語ります。「Cinema 4Dは、絵コンテ作りから最終作品まで、弊社の全制作プロセスに組み込まれているので、Cinema 4Dなしの作業を想定することは難しいです」と、過去にFOXスポーツの社内クリエイティブディレクターとしての経験もあるTai氏は続けます。

ファンが徒歩や車でスタジアムに現れるシーンには、レンダリングとアニメーション用にCinema 4Dに統合した手持ちのモデルと、モーションキャプチャデータを使用しています。また、ファンが熱狂的に垂れ幕を動かし、声援を送っているシーンは、HDの実写映像を使用して作成されました。

厳しい時間枠でしたが、主要選手の場面や各スタジアムに近づくカメラの動き、CGの車、ファンなど、スポットの全体的なエレメントの多くが、各スタジアムに関して基本的に同じであったことは助かりました。とはいえ、各チームのブランド設定を反映させるために、ユニフォームやスタジアム、スタジアム周囲の環境を変更するのは、大変な作業でした。例えば、シアトル・マリナーズのホームグラウンドであるセイフコ・フィールドに172,367のポリゴンが計量され、プロジェクト全体の最終ファイルでは最高で650 GBに達しました。当然ながらレンダリングは、時には「骨の折れる作業」だったとTai氏は言います。「レンダリングファームを使っても、シーンによって、とりわけCGのファンとスタジアムが存在するシーンでは、12時間から14時間かかることもありました。」

Tai氏は、Cinema 4DがAfter EffectsとPhotoshopに統合され、レンダリングが以前より楽になったことで、MFACTORの制作パイプラインにうまくフィットしている点に満足しています。「現在、Macに適したレンダリングを比較的すばやく行うことができるので、他の方式のレンダリングエンジンに投資する必要がないのです」とTai氏。「それだけではなく、デザイナーとしての我々も、Cinema 4Dは使いやすいため気に入っています。Cinema 4Dは複雑になってきてはいますが、主要機能は残されています。」

MFACTORは「ブティック」のような会社ということで、Tai氏とKazlauskas氏はプロジェクト作業の多くを自分たちでこなしました。全部で約20名のプロジェクトチームでしたが、その中でも、CIENEMA 4Dユーザーとして経験の長いRob Garrott氏はプロダクションアニメーション担当として招かれ、特に3D関連のすべてを担当しました。Tai氏によるとGarrott氏のスキルは、特に野球の各地域に対してオブジェクトを簡単に交換するワークフローの開発に際し、大きな力となったそうです。「毎回大きなスタジアムモデルを物理的にインポートするのではなく、各地域の新しいスタジアムを参照するためにXRefを使用することができました・・・RobはXRefシステムを実に最大限に活用してくれましたね。」

Garrott氏はまた、プロジェクトに参加できるスキルの高いCinema 4Dユーザーを全米でリクルートするにあたり、MFACTORに協力しました。「すべてのスタジアムの作業をするのは実に骨の折れる仕事だったので、特定の人材にスタジアムのみを任せることができ、助かりました」とTai氏は語ります。Garrott氏は、Adobe ConnectやFTPストレージといった協調ソフトウェアを利用してアーティストをまとめ、アーティストのモデリングプロセスに対して直接フィードバックを与えることができました。「MingとMarcからプロジェクト規模について聞かされたとき、私は『Cinema 4Dならできます』と言いました。そして、本当にできたのです」とGarrott氏は回想します。