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かつてないゲーム体験 Blindは、Xbox One Xのリリーストレーラーのピクセルスレッディングなどについて説明した。

カリフォルニア州サンタモニカにあるBlindは、これまでもXboxの発売やビデオに関してAyzenberg Groupの代理店と協力してきました。しかしマイクロソフトの新しいゲーム機「Xbox One X」のリリーストレーラーの制作は、当初からこれまでと明らかに異なっていました。 BlindのクリエイティブディレクターのMatthew Encina氏は、マイクロソフト本社のマーケティングおよびインダストリアルデザインチームとレイモンドでのブレーンストーミング会議のあと、カリフォルニアに戻り彼のチームがXbox One Xが最もパワフルなゲーム機であることを伝えるだけでは足らないことを感じていました。かつてない4Kゲーム体験による感覚や見た目、サウンドを視聴者に感じさせるようなデザインをする必要性を感じたのでした。

MaxonのCinema 4D、Maya、Houdini、X-Particles、Cycles 4D、Octane、VRayを使い、「ピクセルスレッディング」と呼ばれるデジタルピクセルのウェーブエフェクトを織り交ぜて、高画質の4K画像を制作しました。Blindが制作したアートなトレーラーは、6月に行われたE3 (Electronic Entertainment Expo)で多くの視聴者を魅了しました。

このプロジェクトの共同クリエイティブディレクターのEncinaとJohn Robsonが、トレーラーのコンセプトと制作におけるBlindのプロセスについて説明してくれました。

Encina: マイクロソフトのデバイスやスタジオのグローバル統合マーケティングディレクターのCraig McNary氏は、業界標準を超えたものをラウンチしたいとはっきりと望んでいました。ハードウェアの性能にフォーカスすることも大事でしたが、4Kゲームの感覚を取られることが大事でした。高画質なグラフィックとは、大量のパーティクル詳細なテクスチャ、高度なライティングといったものが考えられます。これらを伝えるためにピクセルスレッディングというコンセプトが浮かび上がってきました。

Encina: コンセプトは、ピクセルがコンソールのコアから飛び出し、密接に織り合わされて豊かな4Kビジュアル体験になるというものです。このスポットのコア部分はきめ細かいディテールだったので、4Kテレビの広告をたくさんリサーチしました。その中にはJohn Robson氏が手がけたVizioのスポットもありました。ビジュアル言語のタイプにひねりを加え、さらにそれまでとは異なるリファレンスも見ました。最終的に、靴が編み上がっていくNikeのCMに大きな影響を受けました。

代理店とクライアントは、私たちが手がけたデジタル写真を一緒に組み上がっていくいうアイデアを気に入ってくれました。次の課題は「これをどのようにアニメーション化するか」ということでした。これまでこうしたことはありませんでした。そのため、制作に移る前に、私たちが気にいる物ができるまでさまざまなテクニックを試すチームを作りました。Johnは、Houdiniを使うべきだと考えたので、アニメーションテクニックを決めるためにYates Holleyを連れてきました。

Robson: Blindのチームの一人として一緒に働くことが本当に気に入っています。必要に応じてプロジェクトを組織し、仲間を集めます。私たちは、各アーティストの強みと誰がそれに向いているかを考えてから実験を始めます。私たちは、ピクセルスレッディングで何をするかのアイデアを持っていましたが、我々のビジョンとプロジェクトに対して独自の言語を発明したかったのです。 抽象的なオブジェクトを織り交ぜるのはカッコイイですが、私たちはプログラムを統合し、異なるアーティストのアイデアを組み合わせたいと考えていました。すべてのアーティストが、それぞれ気に入っているソフトウェアを使いました。決まったパイプラインで動いている多くのスタジオとはやり方が異なっています。

私たちは、ピクセルスレッディングのエフェクトのために、Cinema 4Dから離れて、HoudiniとX-Particleのシミュレーションを使用しました。 レンダリングはInsydiumのCycles 4Dで行いました。我々は、被写界深度とモーションブラーを含むフォトリアルレンダリング・ソリューションが必要だったのと、X-Particleのパーティクル属性データを利用して時間の経過とともにパーティクルの外観を変更できるインテリジェントなものが必要があり、Cyclesを選択しました。

Robson: どういったことが起こるかの良い例は、事前の実験とどう働くかを見つけ出すことです。パーティクルに慣れてきたら、年齢やスピードに応じたパーティクルの色の変化といったより複雑な属性を求めて行きました。それもCyclesのおかげで実現でき、さらにHoudiniを使うこともさらに学んで行きました。ポイントクラウドによるキャラクターがサーフェイスを横切った時に波を起こし、パーティクルがあわらる新しい方法を発見することができました。パスから各ポイントに細菌が表面に沿って広がるように成長が伝播する様子も見つけました。こうした実験は、異なるソフトウェア製品同士を組み合わせて、何が起こるか見ていなければ不可能です。

Encina: それはジョンと残りのチームと一緒に働くことの美しさでした。誰もが独自の専門知識を持っていて、目標に向かって協力しあって達成することできました。このチームは、それぞれ提案し合い、使用するソフトウェアについてエゴなどもなく、頭を一緒に使ってクリエイティブなソリューションを見つけて様子は、ほんとうに素晴らしいものでした。


Author

Meleah Maynardライター/編集者 – ミネアポリス, ミネソタ州