3Dアバターで楽しむカラオケ

短期間に多数の3Dアバターをボリュームモデリングで短期間に制作

2018年12月にiPhone Xのフェイストラッキング機能を使った3Dアバターカラオケアプリ「nemo」が、株式会社aboonからリリースされた。このアプリは、9種類ある3Dアバターを選んでカラオケを歌うと、歌う様子がフェイスキャプチャーし3Dアバターに反映され、その動画をSNSでシェアできる。この9種類のアバターすべてをデザインしたのが、nemoのクリエイティブマネージャを努めたのが杉本大地さんで、そのかわいさを形にするためにCinema 4Dを使われた。

杉本さんは都内の大学で英語文化を学ぶ大学生だが、クリエイティブマネージャに抜擢されたのは彼のポートフォリオがきっかけだった。aboonでは、3Dアバターを幅広い層に受け入れられるように、アニメキャラクター的なデザインではなくユニバーサルなデザインを探していたところ、nemoのメインビジュアルにもなっている趣味で作成していたカワウソ男の忍者のキャラクターをSNSで見つけ連絡をとったという。

子供の頃から絵を書いたりするのが好きだった杉本さんは、クリエイティブな仕事ができるチャンスに喜んだが、仕事を受けるか迷ったという。彼は、先天性の脊髄性筋萎縮症(SMA)という病気を患っており、日常生活において身体的な制約がある。同社代表の清原三雅氏に病気のことを説明したところ、全く問題ないということでビジュアルに関する全般を見るクリエイティブマネージャに抜擢された。


スピーディーな制作

依頼から作業を始めたのは2018年10月、9種類のキャラクターはわずか1ヶ月程度で行われた。スピードアップのため、活用された機能がCinema 4D R20の搭載されたボリュームモデリングだった。

「今までは、立方体からモデリングを始めて、サブディビジョンサーフェイス使っていましたが、ボリュームを使ったモデリングができるようになったので、三面図、下書きなしでもCinema 4Dでイチからキャラクターデザインができます! アニメーションを付けたりUV展開するためにリトポロジーが必要ですが、1枚絵とかであればその必要はないのでこの気軽さはとても便利です。」

目や鼻の位置を変えるのに、FFDデフォーマならポリゴンを編集しなくても簡単に変えられるということでよく使っているという。杉本さんのポップでやわらかい雰囲気の色使いも独自の方法で学んでいる。

「気に入った映画のシーンをCinema 4Dでモデリングしてライティングなどを再現しています。再現してみると、見ているだけではわからない色使いなども発見できます。」

個人制作では、アニメーションまで手がけているが、nemoのキャラクターのリトポロジーとアニメーションは、デザイナーユニットのmaremonが担当した。同社ではMayaを使っているため、Cinema 4DからFBX形式でデータを渡す方法が取られた。aboonでは、今後アバターの数をさらに増やしていく予定だ。


きっかけは無料の教育ライセンス

子供の頃から絵を書くことやブロック遊びが好きだったという杉本さん。

「ずっと何かを作るということをしていないと気がすまない子供でした。映画も好きで、高校の頃から映像制作もするようになり、3Dもやってみたくて最初に触ったのがAfter EffectsにあったCinema 4D Liteでした」

ただ、Liteは制限も多かったので、無料の教育ライセンスがあることを知り、すぐにCinema 4D Studioに切り替えた。作った作品は、インスタグラムへ投稿をしていった。最初はネットで見たチュートリアルで作った作例だったが、すぐに独自の作品に変わる。やがてインスタグラムから仕事の依頼を請けることになり、学生版から製品版へのアップグレードもした。将来はアニメーションの制作に関わりたいといい、大学でもディズニーやピクサーのアニメーションに関することを卒論のテーマにしている。今後は、ショートフィルムも作成したいという。


杉本大地 / 3Dアーティスト


株式会社aboon


nemo(3Dアバターカラオケアプリ)

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