マジカルミライ2017: 新しい挑戦

flapper3では、処理内容に応じてツールを切り替え効率的に作業することで納期がタイトな仕事にも対応

 劇場作品からMV、ゲームなど幅広いシーンで表現媒体を問わずにプロデュース・ディレクションからCGI映像から平面のグラフィック制作まで幅広い表現を生み出すクリエティブスタジオ「flapper3」、今回はデザイナーの白砂貴広にそのクリエイティブワークとCinema 4Dの関係を聞いてみた。

 そもそも3dsMaxも使用していた白砂氏「キッカケはCinema 4D使いのスタッフが二人おりまして、その操作画面を後ろからみていて挙動がサクサクしているのを見かけて興味を持ちました、業界や学生でも特に若手の中でユーザーも増えてるのも気になりました(笑)中でもMoGraphとX-Particlesの機能って3dsMaxではなかなか難しい機能だったので注目でした。とは言っても初めて使うソフトだったので豊富なネットでの情報や初心者向けの書籍『はじめてのCinema4D』がとても判りやすくて助かりました。」様々なソフトを使いこなす同氏、現状のメインツールは3dsMaxでありバージョンは7の頃からのヘビーユーザー、時にはSoftimageのICEもプラグイン的に併用していた時期もあるので、Cinema4Dと3dsMaxとの連携に関してもAlembicデータでやり取りする事で互換的にも問題ない事をテストして使用しているとの事だ。他にもUNITYやSubstanceシリーズとCinema 4Dとの連携も模索している状態で同氏のその飽くなき表現追求はツールを選ばないといった所だろう。

 まずはデータ管理としてオブジェクトマネージャの機能に注目した同氏、Mayaでのアウトライナー、Maxでのシーンエクスプローラー、とUIは似ているのでとっつきやすいのが利点でオブジェクトの管理から親子関係・タグやエフェクト・可視不可視といったシーンの状態をこのマネージャ1つで一括閲覧・操作ができるのはCinema 4Dならではと言えよう。またプレビューが高速で他のソフトに比べてリアルタイムで確認がしやすく、そのプレビューのクオリティも最終レンダリングに近い状態で確認できるのでフィニッシュワークでの効率性が高いと言えるだろう。

 基本的にはこのオブジェクトマネージャに表示・非表示、レンダリング・非レンダリング、といったステータスを一覧できその切替も可能、基本的には親子構造になっているので直感的にオブジェクトの構造や割り当てたタグが視認できるのが強みで、実際のオブジェクトのペアレント関係もこちらで設定できるが、エフェクタ等のタグの情報もオブジェクトの上位・下位に並んで割当が行われ階層を開くだけでどのような構造になっているか把握しやすくなっている。Mayaのアウトライナーと3dsMaxのレイヤー・モデファイアスタックを合体させたようなUIになっており、まずはシーンの内容を理解するにはオブジェクトマネージャからアクセスして各種パラメータの項目を呼び出すという使い方が基本だ。

また同氏もCinema4Dだけでなく他のソフトと並行して作業の得手不得手で使い分ける事によって、例えばモデリングは3dsMax、Alembic経由でCinema 4Dにインポートそこで非破壊のエフェクタやX-Particlesの作業を経てCyclesレンダリングでというフローをとる案件もあるとの事、また対応レンダラーも増えてきた昨今Cinema 4DからCycles、OctaneRender、Redshiftといった新しいレンダラーをテストしてよりリアルタイムに近い速さでのアウトプットを目指している。

 具体的な作品として「マジカルミライ2017」の映像制作でCinema 4Dを使用している、次にその使い所と特性について解説しよう。前述の通り複数のソフトを跨ぎ、その特性を活かしたシーン構築を行っている本作では、特にX-Particleの挙動から光のラインを発生させるシーン等でCinema4Dが使用されているとの事で、モデリング補整は3dsMaxで行っておりエフェクト部分で主にCinema4Dが活躍している。

「一番大変だったのは身体の表面にParticleを這わせるのですが、凹凸が激しいのでサーフェースフォローで追従させると凹凸で止まってしまいます、髪の毛や袖口の部分の凹凸をモデリングで丁寧に塞いでからX-Particlesを走らせています。レンダリングに関しては今回はCinema4Dの標準のレンダラーとX-Particlesのレンダラーを両方使って各種チャンネル事に出力しています、実はCinema4D自体は使い始め程度だったのですが三週間でなんとか使えるようになりました(笑)」。

得手不得手もソフトやプラグインごとに別けて使い分けている同氏、同じシーンでも3dsMaxとCinema4Dで処理内容に応じて互換させて切り替える事によって効率的にオブジェクト制御できるようにしており、それに加えてAfter Effectsとのカメラの連携機能を使う事で3DCGモデルと一緒にそのままコンポジットまで一貫して共通のカメラ配置から作業できるのも効率的と語る。

「深度情報、デフューズ、自己発光、フォールオフ等を合成時の調整用に出力してAfter Effectsとの連携も図っているとの事で、本作『マジカルミライ2017』の案件でもそのCinema 4DとAfter Effectsの連携も活躍してくれました。映像系の案件は納期がタイトなケースが多いのでプレビューが速い、合成までの連携が効率的、あとは非破壊でのフロー、MoGraphは強力なツールになっていますね。今後はリアルタイムレンダラーも研究したいと思います。特に若い世代にCinema 4Dが広まって盛り上がりをみていると負けられないって感じの熱いモノを感じます(笑)映像系CGの選択としてはCinema 4Dは今一番乗っているソフトの1つだと思います。」

 

flapper3のサイト

https://www.flapper3.co.jp/

マジカルミライ2017のサイト

http://magicalmirai.com/2017/

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