1→10によるソードアート・オンライン ザ・ビギニング Sponsored by IBM 制作ワークフロー

ナビゲーションキャラクターおよび武器や敵モンスターのモデリング、キャラクターセットアップやキャラアニメ、テクスチャ製作など多くの面でCinema4Dを活用

《ソードアート・オンライン ザ・ビギニング Sponsored by IBM》は、国内外で高い人気を誇る「ソードアート・オンライン」と、IBMがコラボレーションし、2016年某日 都内某所でアルファテストが行われた。

抽選で選ばれた参加者は、自らをスキャンした3Dモデルがアバターとして登場するバーチャル・リアリティ空間内で他の参加者たちとともにゲームを体験。「ソードアート・オンライン」のアルファテストという設定の世界を体感できる画期的な内容で話題になった。

《ソードアート・オンライン ザ・ビギニング Sponsored by IBM》のコンテンツ制作にはCinema 4Dが使用されている。実は筆者も某所で《ソードアート・オンライン ザ・ビギニング Sponsored by IBM》を体験した1人。
VR酔いが苦手なので心配だったが、フラフラすることもなくたっぷりと「ソードアート・オンライン」の世界を楽しむことができ、本当にこんな世界がくるのでは?という期待を持つことができたほど。

このユニークなイベントの企画から制作までを担当した1→10のプロデューサー川副氏、プロジェクトマネージャー澤井氏、チーフエンジニア北島氏、CG アーティスト白井氏にお話を伺った。

■ザ・ビギニングの誕生について

川副氏今からちょうど一年前に3D表現を駆使したVRコンテンツ制作を手がけました。とあるTVCMの世界を実際に体感してもらう企画で、Oculus Riftを使用したゲーム要素が強いコンテンツでした。キャラクターも背景も全てCinema 4Dを使用しました。企画は大好評で、会場となった表参道で行列が出来たほどでした。北島氏この成功事例をふまえたうえでIBMのハイパフォーマンスクラウドであるSoftLayerと「ソードアート・オンライン (以下 SAO)」の世界とを掛けあわせることでSAOを原典とする前日譚を描き、リアルにアルファテストを再現する企画、《ソードアート・オンライン ザ・ビギニング Sponsored by IBM》(以下 ザ・ビギニング)が誕生しました。SAOの始まりである 2022 年から遡ること6年前、 2016年現在の技術でどこまで SAO の世界に近づけるか。作中で描かれるVRMMORPG (Virtual Reality Massively Multiplayer Online Role-Playing Game)を少しでも再現できたらという思いでした。

 

■ソードアート・オンライン ザ・ビギニング Sponsored by IBM 制作ワークフロー

北島氏 アルファテスター(体験者)が使用するVRデバイスはナーヴギア(SAO に出てくる家庭用に作られたヘッドギアタイプの VRマシン)のプロトタイプという想定で「Oculus Rift DK2」をはじめ、様々なデバイス組み込んで作りました。「LeapMotion」でジェスチャによるメニューUIの空中表示を制御し、またそれだけでは捉えきれない体全体の動きを「Kinect」でセンシングし、その2つをうまくスイッチングすることで自然な身体のインプット機能を高めています。足には9軸センサ(地磁気・加速度・ジャイロ)内蔵のオリジナルの歩行デバイスを装着することで体の向きや足踏みをセンシングし、街での移動を実現しています。その他にはOculus用のステレオカメラデバイス「Ovrvision」を使うことでSAOでは象徴的な現実世界の視野とVR世界のシームレスな繋がりを表現できました。白井氏本件ではDCCツールをCinema4Dとし、補助的にいくつかソフトウェアを使用しており、ナビゲーションキャラクターおよび武器や敵モンスターのモデリング、キャラクターセットアップやキャラアニメ、テクスチャ製作など多くの面でCinema4Dを活用しています。

 

■ソードアート・オンライン ザ・ビギニング Sponsored by IBM 制作にあたり工夫した点

澤井氏

3DレンダリングをローカルPCで行っているのですが、できるだけ品質を落とさないで世界観を出すこと、VR酔いをしないようにフレームレートが落ちないよう調整しつつ没入感と臨場感を出すこと、マルチプレーヤー対応して通信させること、これら全てのバランスを取ることが一番の課題でした。

白井氏

かなりのスペックのPCを採用しましたがまっすぐハイクオリティなビジュアルを目指していくとすぐにフレームレートの問題に衝突しました。
特に街のシーンでは試行錯誤を繰り返しましたがフレームレートがなかなか安定せず、クオリティと品質のバランスを何度も見直し、影やライト、オブジェクトの調整を公開直前まで続けました。
ボスシーンでは巨大なボスにとことん注力し、高解像度のテクスチャ、潤沢なポリゴン数、毛や装飾品の物理演算など次世代ゲームに近しい情報量を持たせ、VR空間で生きているような存在にまで磨き上げました。

澤井氏

その甲斐があって、アルファテスターのみなさんはボスキャラの存在感に驚かれていました。ただ映像で見ているのとは違う、思わず見上げてしまう圧倒的な大きさを意識しました。ここは外せないポイントでした。

■Cinema 4Dを選んだ理由

白井氏

CG制作はUnity内の小物類の製作以外は全て社内で行いました。

モデリングだけではなく、キャラクターセットアップ、アニメーション、テクスチャ製作、これらの作業を限られた人数で行わなければいけない。その全てが完結するツールとしてCinema 4D が最適でした。Cinema 4Dは習得コストも低く、なおかつ少人数で様々な工程をこなすにはとても向いていると感じます。PSDをサポートし、Photoshopと似た感覚で着色作業できるBodyPaint 3Dは本件で非常に役立ちました。
UnityともPSDでやり取りできるため、BodyPaint 3Dで編集、Unityにすぐさま反映。といったスムーズな作業が実現しました。
こういった利点もあり私はBodyPaint 3Dが一番のお気に入りです。左右対称の着色機能とPhotoshopのPSDを完全に再現できるようになれば完璧ですね。
ちなみに、弊社のDCCツールは一貫してCinema 4Dを採用しております。

ソードアート・オンライン ザ・ビギニング Sponsored by IBM <http://www.mugendai-web.jp/vrmmo-project/>

【1→10HOLDINGSとは】

デジタルの可能性を追求するクリエイティブスタジオ。
ブランドや社会の課題をアイデア、クリエイティブの力で解決する事を目指し、日夜、企画、制作 業務に邁進しているクリエイターとテクノロジストを有する組織。
グループ全体では、CANNES LIONS・GOLD、ADFEST・グランプリを含む、150 以上の広告賞を受賞。
広告コミュニケ−ションやブランデッドコンテンツの制作を主軸に、プロダクトやサービスの開発からデジタルインスタレーションなども行う。

1→10 http://www.1-10.com/

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