Leonardo da Vinci
最後の晩餐

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テーブルとその上の食器、パン、グラス等は最後に制作しました。

その結果、制作方法や目標とするポリゴン数が明確になっていて、修正もなかったので、比較的高い品質を得ることができました。

テーブルのテクスチャも全てBodyPaint 3Dでペイントしました。


それでは、イエスの前にある大皿を例にして作業の手順を説明します。

図1. イエスの前の皿

まず、16分割した円を元にして図2aのようなポリゴンオブジェクトを作成します。ポリゴン数を減らすため、内部の分割数は半分になっています。

次に図2bは皿を裏返したところです。皿の下には足に相当するポリゴンがついていますが、イエスの側は見えないので削除してあります。

この二つのテクニックは、人物を含む全てのオブジェクトに適用されています。つまり、オブジェクトのエッジが見えるところはポリゴンを細かく分割し、平らなところは粗くしています。そして、カメラから見えない奥まった所のポリゴンは削除してあります。


図2a. テクスチャを外してポリゴン分割を表示させたところ


図2b. 皿を裏返して見たところ


皿のモデリングが完成したら、UV座標を作成します。

今回は、図1のように斜め上から見下ろしたカメラからカメラマップでテクスチャを投影し、それをUV座標に変換しました。ただし、そのままだと皿と皿の足が重なってしまうので、足を分割し別の場所に移動してあります。

図3aで中央が皿のUV座標、上に3個に分離して置かれているのが足のUV座標です。人物を含む全てのオブジェクトについて、同じ方法でUV座標を生成し、重ならないように展開しました。

UV座標を展開した後は、BodyPaint 3Dを使ってオブジェクトに直接ペイントしていきます。実際には、図2aの白い皿にペイントすることになります。その結果テクスチャには図3bのような皿の絵ができ上がります。

Photoshopでテクスチャを作成する場合、図3bの方にペイントするわけですが、オブジェクトの形状や周囲の状態がわからないので、うまくペイントできません。

図1と図2aを見比べると、オブジェクトの色だけでなく、陰影、ハイライト、くぼみの形状などがすべてテクスチャで表現されていることがわかります。


図3a. 皿のUV座標


図3b. 皿のテクスチャ


次に難しかった透明の表現について説明します。

テーブルの上には、水差し、ワインの入ったグラス、水の入った皿など透明な物体が多くあります。

最初は実際に透明にすることも考えたのですが、OpenGLのハイライトや透明機能ではどうしても原画のような味が出ないので、全てテクスチャで表現することにしました。

図4aは、イエスの右にある水差しやワインの入ったグラスです。よく見ると透明ではなく、すりガラスのようですが、遠目には十分リアルに見えます。また、本物と同じように透明に作り、ハイライトを適用してもリアルにはなりません。

また水差しやグラスのハイライトから、太陽の方向がわかります。

図4bは水の入った皿です。皿は金属製なので、周囲の人物の服の色をわずかに反射させています。また水の部分は暗くし、皿との境界部分にハイライトを入れてあります。

このような細かい処理を、マテリアルやライトに適切に指定していくのは非常に難しいので、画力さえあれば直接描いてしまった方が簡単です。


図4a. イエスの右にある水差しとグラス


図4b. イエスの前にある水の入った皿


その他、テーブルの上にあるものについて説明します。

テーブルの各所にはパンが置いてあり、またワインの入ったグラスが人数分置いてあります。

最後の晩餐が行われたのは、ユダヤ教の過ぎ越しの祭の直前です。この過ぎ越しの祭では、発酵させていないパンを食べることになっていますが、原画のパンはイースト菌で発酵させた普通のパンです。

聖書の記述とは異なりますが、もし2000年前のユダヤの習慣や食事、衣服などを忠実に再現すれば、それは500年前のイタリアの人達にとって非常に奇異に見えたはずです。それによって人物の現実感が失われるのを避けるため、レオナルドは意図的に、週間や食事、衣服などを当時のものに置き換えたのです。


図5a. 普通のパン


図5b. ワインの入ったグラス


両わきの2個の大皿には魚の料理が入っています。原画は損傷が激しく最終的な色がよくわからないのですが、黒っぽいので皮を含めて丸ごと料理してあるようです。

各人物の前の小皿は楕円形で、中には切り分けられた魚料理と、ミカンの輪切り、葉などが入っています。この葉が、食用の葉なのか装飾用の葉なのかはわかりません。

テーブルの上には、フォークが見当たらないので、手づかみで食べたようです。ただし、ペテロは一般的なナイフを握っていて、また右端のシモンの前にもナイフが置いてあります。おそらく各自がナイフを持っていて、それでパンや魚やミカンを切っていたのでしょう。


図6a. 円形の大皿には魚の料理が入っている


図6b. 楕円形の小皿には切り分けられた魚料理と、輪切りのミカン、葉などが乗っている。


ユダの右腕の前には倒れた塩壺があります。こうなったのは、ペテロがユダをテーブルの上に押しだしたからですが、その勢いを倒れた塩壺がよく表しています。レオナルドの絵では、人物だけでなく塩壺までが演技の対象になるのです。

テーブルの上には小さなミカンが置かれています。また、輪切りにしたミカンが皿の中に置かれていて、ちゃんと房まで描かれています。


図7a. ユダの右腕の前にある倒れた塩壺


図7b. 小さなミカン


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